歯茎を切り開いて、あごの骨に穴

歯茎を切り開いて、あごの骨に穴を開けるといえばどんな痛い手術なのだろうと思うかもしれません。
どこの歯科医の手術でも、強い痛みを感じることはないと思ってください。
麻酔が効いたことを確認した上で本格的に手術を始めるためです。
術後、麻酔が切れてくると、腫れとともに痛くなってくることもあります。
化膿止めとともに、痛み止めも処方されていますので長い間痛みに苦しむことはほとんどないと言えます。
人工歯根を骨に埋め込むといっても、インプラントは金属アレルギーが問題になることはほとんどありません。
骨に埋入する部分はほとんどチタン製で、その上もセラミックや金などアレルギーをきわめて起こしにくい素材から作られています。
ほとんどのインプラント治療は保険がきかず、その全額が自費になるのが普通です。余計な負担や不安を減らすために、金属アレルギーがある患者さんは治療に取りかかる前に、歯科医に相談しておくのが一番良いでしょう。
インプラント埋入手術では局所麻酔を使います。
入院して手術することはまれです。
糖尿病や心疾患などの既往症があるケースでは歯科とはいえ、入院の必要も出てきます。
また、インプラントを支えるだけの強度を持った骨がないケースでは、第一に骨を形成しなければなりません。腸骨などの自家骨を採取し、骨が薄いところに移植するという手術では、入院が必要になることもあるので、注意してください。
これらのケース、その他の困難なケースであれば長期間にわたる治療を覚悟しなければなりません。
欠損した歯の数が少ない場合、インプラントとブリッジで迷うことがあります。いわゆるインプラント治療では、あごの骨に小さな穴を開けて、人工歯根(インプラント体)を埋入し、それが落ち着いたところで上に義歯をつけます。
それに対し、ブリッジ治療は、義歯を橋桁と考え、両隣の歯を一回り細く削り、その上から義歯のついたブリッジをかぶせるのです。
治療後、一見した感じでは、ほとんどの場合、インプラントが優位に立ちます。先に書いたように、ブリッジ治療では、問題のない歯を削らなければならないというのが痛いところです。理由は様々ですが、希望すれば必ずインプラント治療を受けられるとは限らず、検査の結果を見て、これ以上の治療はできないといわれることもあるでしょう。
でも、断った理由として「あごの骨の強度や厚さが十分でない」だの「あごの骨のサイズが足りず、インプラントを入れられない」であればまだあきらめなくて良いかもしれません。最新の設備を備え、最新の技術を持った歯科医がいれば従来はできないといわれていた症例でも治療ができるようになっています。
よく調べて、最先端の治療が受けられる歯科医院を十分調べてください。インプラント治療の終了は義歯が問題なく使えるようになったときですが、その後も指示された間隔で歯科医によるメンテナンスを受けなければなりませんから当然、その度に費用を支払います。
特に異常がなければ、三ヶ月に一回くらい歯科医のチェックや衛生士によるブラッシング指導を受けます。メンテナンスを受けるごとに支払う料金は基本的に保険が適用されるので約三千円とみれば良いでしょう。
普通は、一年あたり1万円、もしくは、2万円程度のお金がかかると見積もっておきましょう。
人工歯根をあごの骨に埋め込むのがインプラント埋入手術ですから、ほとんどの患者さんは、手術後、違和感を感じるといわれています。数日たって腫れが引けば、だいぶなじんできますから腫れたところや、縫った糸が気になっても、触らないように我慢あるのみです。もしも、十日以上経っても浮いた感じが治まらない場合や、痛みの増大、腫れ、発熱などの症状がある場合は、原因を突き止め、治療しなくてはなりません。
急患でも診療を受けることが必要です。ご存じの通り、インプラント治療は保険適用になることはまずありません。全額自己負担が普通ですが、医療費控除は受けられるので、覚えておきましょう。
手間はかかりますが、年一回の確定申告によって医療費を収入から引くサービスを受けられます。医療費控除を受けようとすれば治療のたびにもらっている領収書が必ず要求されるので絶対再発行されないと肝に銘じておき、暦年で申告することになるので、保管しておいてください。どんな完璧なインプラント治療でも、治療が終わるとその状態を保たなければならず、セルフケアを怠ってはなりません。日頃から丁寧に歯みがきを行い、いわゆるプラークコントロールを完璧に行い、定期的な検診を欠かさず継続することを続けなければなりません。
インプラントが虫歯になることはありませんが、ひとたびケアの手を抜けば歯周病になることは珍しくありません。
重要な確認事項として、インプラント治療を始める前にあごの骨の状態を確認し、治療ができるかどうか知ることが大事です。
これまでに歯周病とか顎関節症の経験があれば、治療以前に既往症を完全に治しておくのがとても大事です。
それから、美容整形や外傷といった、あごの骨に手を加えた経験がある方もインプラント治療のリスクが増大します。
こうした病歴があっても、直ちに治療できないといわれる可能性は低いため歯科医とのコミュニケーションが何より大事です。